なぜ今、木材資源のリサイクルが必要なのか
木材は、私たちの普段の生活に大変密着しており、住宅や家具、生活雑貨等、古来より多くの日本人に慣れ親しまれてきました。現在においては、諸外国より膨大な量の木材を輸入し、大量の木材資源を利用しております。
しかし、現代社会において深刻である森林伐採や森林破壊による地球温暖化、酸性雨など、世界的規模の問題が発生しているにも関わらず、木材資源の大量消費国である我々日本ではこれまで多くの木材を無駄にしてきました。国内における廃木材のリサイクル率もなかなか上昇していないのが現状です。
木材は現在の日本で最も豊富な資源です。廃木材を有効利用することは、日本のエネルギー政策に大きな影響を与えることになります。
現在の木材資源リサイクル
家屋解体や林道開発、ダムの流木等、大量に発生する廃木材は、廃棄物処理法に則って産業及び一般廃棄物として民間の廃棄物中間処分業者によってリサイクルされており、建設リサイクル法などの法律や地方条例によってリサイクルを行う環境が整えられています。
また、京都議定書以来、バイオマス・総合戦略が閣議決定されるなど国のバイオマスを重視した施策により、木材は製紙・セメント・製鉄・エネルギー等の各業界で大変注目を集めております。
しかしながら、現状としてはリサイクルされた木質資源を利用する業者が限られているため、再資源化された木材の需要が伸び悩んでいること、法律により同じ木材なのにリサイクルできない木材があること、再資源化施設の設置に膨大な経費と時間がかかること等、様々の問題があるようです。
バイオマスって何?
バイオマス(Biomass)とは、本来、「生物量」、「現存量」と訳され、一般的には有機物の物質的な量を意味していましたが、1970年代以降、生態学的な意味合いをこえて、生物起源の物質からなる食料や資材、燃料、資源を意味する言葉としてとらえられるようになってきました。つまりバイオマスとは、
- 再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの
- 太陽のエネルギーを使って生物が合成したものであり、生命と太陽がある限り、枯渇しない資源
- 焼却しても大気中の二酸化炭素を増加させない、カーボンニュートラルな資源
※カーボンニュートラル=燃焼によって発生する二酸化炭素量と、
生育時の光合成等による消費量とが同量になる状態をいいます(栃木農政事務所ホームページより)